私は、昔「ITF」というテコンドーを7年間修行していた過去ことがある。
その時の話である。
非常に才能があった一人の先輩がいた。
先輩は某有名流派の空手も併用して稽古しており、万全の体制で大会に臨んだ。
先輩は大会前の稽古時私に、
「テコンドーの蹴りの範囲はここからここまで、このようにしていたら
当たらないんだよ」と私に告げた。
事実、大会に臨む前の稽古で、先輩のガードは固くなかなか先輩と当たった相手は先輩を崩すことができなかった。
私は、先輩なら今回の大会結構いけるのではないかと思っていた。
私は都合で大会を観戦できなかったのだが、大会後の稽古で師範から報告があり
「先輩が対戦相手の「後ろ廻し蹴り」を側頭部にもろにくらい
一時記憶喪失になり、その後も意味不明なことを口走っていた」そうだ。
先輩は大会後1、2回道場に姿を現したが、それ以降姿を見なくなってしまった。
いつも、私は思うのだが、どの流派が優れていて強いとかいう議論は
時と場合、また、場所や戦う人数によるもので、結局はそれを
どう生かすかはそれを使う人間個人の問題だと思うのだ。
それにしても、側頭部を含む、頭部への打撃というものは怖いものである。
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